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家づくりについて

住まいづくりから始める花粉症対策と森林保全

Date2025/07/26

そんな新しい家づくりの形に、私たち吉成建築も取り組んでいます。

現在、日本の多くの山には花粉量の多いスギが多く植えられています。
この状況を改善するため、国は「花粉症対策促進事業」を進めており、
花粉の多いスギを伐採して木材として活用し、
少花粉・無花粉のスギへ植え替える森林循環を目指しています。

つまり、住宅で国産木材を使うことが、花粉症対策の一歩に。

吉成建築では、構造材を中心に国産スギ・ヒノキを積極的に採用し、
地域の森林とつながる家づくりを進めています。
木に包まれた心地よさだけでなく、未来の森林を守ることにもつながる取り組みです。

子どもの世代に、もっと暮らしやすい環境を残していくために。
家づくりを通してできる小さなアクションを、私たちは大切にしています。


国内の森林環境の保全や地域活性化、花粉症対策に貢献します

森林の多面的機能の発揮に貢献

国産木材を「伐(き)って、使って、植える」という森林資源の循環利用により、森林の適正な整備・保全を続けながら、持続的な木材供給をはじめ、国土保全やCO₂吸収など森林の多面的な機能の発揮に貢献するとともに、住宅産業を含めた国内産業や地域振興にも寄与することができます。

森林資源の循環利用(イメージ)
図出典:林野庁「令和2年度森林・林業白書」


花粉発生源の対策

スギ花粉症は、国民の約4割が罹患していると言われ、社会的・経済的に大きな影響を与えています。このため花粉を飛散させるスギ人工林を伐採し、花粉の少ないスギ苗木等や広葉樹の導入等が求められています。スギ材の需要の拡大は、こうした花粉発生源対策にも寄与します。

人工林の立木の伐採

花粉の少ないスギの苗木の生産

写真出典:(一社)全国林業改良普及協会

 


木材にはさまざまな優れた特徴があります

炭素の貯蔵、CO₂排出の削減

樹木は、光合成によって大気中のCO₂を取り込み、幹や枝等の形で炭素を蓄えています。このため、木材を住宅に利用することは、炭素を貯蔵することにつながります。また、木材は、鉄やコンクリート等の資材に比べて製造に要するエネルギーが少ないことから、木材利用はCO₂の排出削減にもつながります。

住宅(約41坪)1戸あたりの炭素貯蔵量と材料製造時の炭素排出量
原典:大熊幹康(1988)木材工業,Vol.53-No.4:161-163.
出典:林野庁「森林・林業白書」

 

 

建築資材としての優れた特徴

木材には、調湿作用や高い断熱性による室内環境の改善のほか、心理面等の健康への効果があることが確認されています。スギ材の匂いが、唾液中のストレス指標となる物質(アミラーゼ)の活性化を下げた、すなわちストレスを抑制したとの報告があります。

スギ内装材の匂いによるアミラーゼ活性への影響
出典:Matsubara, E., et al.:Build.Environ.,72,125-130(2014)

 


国産木材活用のイメージと効果

住宅への国産木材活用による効果の「見える化」

木造住宅は、軸組工法、ツーバイフォー工法、木質パネル工法など、使用する木材やその工法はさまざまです。このうち、例えば軸組工法の住宅では、柱や土台、梁(はり)などの構造材、根太、間柱などの羽柄材、下地材、造作材などの部材に幅広く木材が使われています。木材の主要な利用先である住宅にできるだけ国産木材を活用していくことで、カーボンニュートラルや花粉症対策に貢献することができ、国産木材活用住宅ラベルによってその効果を「見える化」することができます。

 

木造住宅におけるスギの使用量・住宅の炭素貯蔵量の計算

木造軸組工法の2 階建て住宅(延床面積 約120m²)を例に木材使用量を試算し、それをもとにスギの使用量と住宅の炭素貯蔵量を計算してみました。

 

木材使用量の試算例

過去の調査結果(※1)による軸組工法住宅の木材使用量のデータを用い、左表のようにできるだけ国産木材を使うという設定(梁(はり)、筋かいを除いて国産木材)にしてみると、国産木材の使用割合は7割以上になります。

(※1)「木造軸組工法住宅の木材使用量(平成13年度調査)」(公財)日本住宅・木材技術センター、「木造住宅の木材使用量調査事業報告書」(一財)日本木材総合情報センター(平成26年)

スギの使用量の計算結果

スギの使用量13.2m³を立木の本数に換算(※2)すると約58本になりました。

(※2)換算時の本数
スギ材:4.4本/m³、ヒノキ材:5.9本/m³

住宅の炭素貯蔵量の計算結果

住宅の炭素貯蔵量のうち、国産木材の炭素貯蔵量(※3)は12t-CO₂になりました。これは次のようなCO₂排出量に相当します。
・普通自動車で地球3周(約12万㎞)走行したときのCO₂排出量
・1世帯あたりのCO₂排出量3年分(データ引用元:新潟県農林水産部HP)

(※3)「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン(令和3年10月1日 3林政産第85号)」に則り算定しました

 


国産木材を活用した家づくりをしませんか
-日本の木を使って山にも人にもやさしい取り組みを-